暗号にはどのような種類があるのだろうか?
(暗号から見た Voynich Manuscript)

 暗号形式分類表

 

一般形式
外見上暗号として察知されるけれどもその内容が第三者に判らないような暗号
換字式
文字または語句等を他文字または記号(群)で置き換える形式
単一形式
基本形式ともいい換字式暗号の基本の型
文字置換式
単一の文字を他の文字・記号(群)に換える型
綴字換字式
2文字、3文字等文字群を他の文字・記号(群)に換えるもの
辞書式(コード式)
文字、単語、句、短文等を単位として他の文字・記号群に換えるもので一般に辞書のようになっている
複雑形式
応用形式ともいい基本形式を組み合わせた型
多表式
2種以上の換字表を作って規則に従って表を変えながら暗号化してゆく型
乱数(字)式
数字(文字)化した単一形式の暗号文に乱数(字)を加えて暗号化する型
2次式
更新が頻繁にできない辞書式、または綴字式暗号で暗号化した暗号文をしばしば更新する文字換字、綴字換字式で暗号化する型
連鎖式
最初の部分を鍵として暗号化して後は原文または暗号を鍵として逐次暗号化してゆく型
ストリップ式
ストリップという細片に不規則にアルファベットが2回繰り返してあるもの数十回を使用して暗号化する型
その他
各種形式があるので細部省略する
転置式
文字、または単語を基本として、文章と異なる配列に置き換える形式
単一形式
(基本形式)
幾何図形転置式
矩型、台形、三角形等の枠の中に枡目を作り、これに文章を一定の順序に書き入れ、別の順序に取り出す型
鍵式転置式
上記の文字を取り出すときに定められた鍵の順序に従って順不同に取り出す型
複雑形式 空欄転置式
幾何図形式の場合、不規則な場所に欠枠を設け、そこには文字を書き入れない型
グリル転置式
正方形の枠の中に欠欄を設け、枠を回転させながら文章を書き込み、定められた順序に取り出す型
二重転置式
上記各種転置式を2回行って暗号文を作る型
その他
混合形式
換字式と転置式を混合して暗号化する形式
換字転置式
換字式を先に行って転置式を後で行う形式
転置換文式
転置式を先に行って換字を後で行う形式で換字は綴字換字式の場合が多い
その他
特殊形式
外見上暗号として察知され難いもので特殊な場合に使うことが多い
隠字式
秘密インキ等で見えなくするか、特殊な図形の中に判り難いように文字を入れておくもの
分置式
特定に定めた箇所に原文の文字を分置して、見せ掛け上他の文章にするもの、これが乱字列になるものは一般形式の分置式
隠語(隠文)
有意の語または文を全く違った意味に用いるもの、隠語には一般化して秘匿の意味を有しなくなったものも多い
比喩式(寓意法)
歌、文章等によって自分の相手にのみ知らせようとするもので、平素の交わり程度、教養の深さ等による
図書等利用式
図書・新聞等に互に定めた目印をつけてその印に従って文意を知る方法
図形等利用式
一般形式に属する換字暗号を一見してそれと気付かれないような図形、音符、紐等を利用して作り出すもの
その他
特殊な図形によるもの、ゼスチャーによるもの、音光等を利用するもの、煙を利用するもの、特殊語を使用するもの等々
-加藤正隆 『基礎暗号学 1』より引用
 

今は暗号の種類を表にしただけですが、時間に余裕ができたら暗号の側面からの考察ももう少し増やしていこうと思っています。

Back