テレパシーが存在するか?統計的には有意に存在する結果が出ています。私の興味は存在するか?ではなく、背後にあるどのような法則によってこのようなことが起こる のかに移っています。

シェルドレイク博士は、新たに合成された化合物の結晶が一度生成されると(これまで存在していなかった物質はしばしば結晶化し難いことが知られている)、二 度目以降は容易に結晶化する現象に注目し、morphic field(形態形成場)でこれを説明しています。同様に、テレパシーなども同じ理論で説明しています。

以下は『Science Delusion』の一章からの概略です。

問題はこれらのテレパシーが常に発揮されることはなく、全くの偶然のときよりわずかに可能性が高くなるというだけ。
また私自身は全くこれらの経験をしたことが一度もないということです。残念。猫飼いたいな。


精神遅滞の障害児が母親と一緒にいるときにテレパシーのような力を発揮。

26枚のアルファベットまたは数字が1つ書かれたカードを用意。母親は6マイル離れた研究室、子供はケンブリッジの自宅。実験は電話越しで行い、会話を録音 した。
ランダムにかき混ぜたカードを1枚取り、母親に見せる。それから子供はそれが何であるかを答え、電話越しに母親は「正解」または「不正解」と答える。実験で は、ランダムに想像した結果は1/26(3.8%)の正解率であるが、この男の子は38%の確率で正解。また失敗した場合でも、2回目の推測では27%の確率 で正解。このような高い正解率が偶然に起こる可能性は数億分の1である。

障害を持つ息子が母親の助けを非常に欲し、母親が息子をあらゆる点で手助けしたいという感情が関わっていると考えられる。テレパシーは親密な二人の間、親と 子、配偶者、友人の間で普通に起こるものだ。

Recordon, E.G., Stratton, F.J.M., and Peters, R.A. (1968), ‘Some trials in a case of alleged telephy’, Journal of the Society for Psychical Research, 44, 390-201.


誰かを背後から見つめたら振り返られた、または背後に視線を感じて振り向いたら誰かが自分を見つめていた。


1880-1939年の間に、送信者と受信者の間のカード推測によるテレパシー実験の論文は186通発表された。ほとんどの実験で、ランダム推測で予想される値よ りも高い確率で正解があった。メタ分析と呼ばれる統計的解析をおこなうと、これらは統計的に明らかに有意である。

1920-1960年代、ノースカロライナ州のデューク大学では、5枚のカードから記号を当てる実験が数千回行われた。偶然に当たる確率は20%であるが、 平均の正解率は21%と、偶然の水準をわずかに上回るものであるが、非常に多数の試行回数のため、統計的には非常に有意なものである。



1960年代になると新しい研究が始まった。レム(急速眼球運動)睡眠中、夢を見ている被験者に対して、遠く離れた実験室で送信者にランダムに選んだ写真を見せ る。その後被験者をブザーで目を覚まさせ、夢の内容を尋ねる。

送信者:ボクシングの試合の写真
受信者:ボクシングの試合のチケットを買う夢を見た

送信者:棺の中のマフィアの死体の写真
受信者:タバコの箱の中のネズミの死体

450の夢テレパシー実験で、全体としては有意に偶然を上回る結果が得られた。


動物のテレパシー

ご主人様が旅行から戻り始めたとたん、30分以上前から帰宅を待ち続ける犬

海軍の息子は、心配させてたくないと、母親に連絡をせずに帰宅しているが、息子が可愛がる猫が1、2時間前から玄関で鳴き始めるので、いつも食事を作って待 つことができる。



飼い主パムと飼い犬ジェイティーで実験。パムは5マイル離れている。ジェイティーは連続的にビデオで記録した。ジェイティーはパムが帰宅しようと意図を始めた頃に 待ち始める。犬が病気などのときは待たなかったが、85%の確率でパムの帰宅を予測していた。



同様に多くの動物が飼い主の意図をキャッチしているようだ。動物病院に連れて行こうとすると猫が隠れる。遠くで起こった飼い主の死に反応。


1500語を覚えたアフリカのグレーオウムによる実験。飼い主ははじめペットのオウム(N'kisi)に言葉を教えようとした。その後、飼い主はこのオウムが飼い主が考えていることを話しだしたり、飼い主が夢を見ている時に、その夢の内容をしゃべり目が覚めたことがあることに気づいた。オウムがしゃべる単語から20語を選択 し、その写真を飼い主に見せる。その間オウムは連続的に録画。しばしばオウムは、飼い主が見せられた写真(例えば花、抱きしめる、電話など)の順番にしゃべった。
Testing a Language - Using a Parrot for Telepathy


母乳を与えている母親。子供がいつお腹を空かせているか分かる。

電話のテレパシー
突然誰かが頭に浮かんだ後にその人からの電話が鳴る、または電話が鳴り、ナンバーディスプレイを見ないでも、誰からかかってきたか分かるときがある経験。

1名の受信者と4名の友人を実験室に用意。受信者は継続的に録画。携帯ではなく、有線の電話で4名のうち1人が電話を掛け、電話を取る前に、被験者はカメラ に向かって誰が掛けてきたかを答えた。偶然の正解率は25%だが、彼の正解率は45%であり、偶然より有意に高い率となった。また付随的な実験から、地理的な 近さよりも、被験者間の感情の近さが正解率を上げた。

最近のSMSやEメールでも実験を行うと、同じような結果が得られた。


予感/虫の知らせ

感情の変化を、指先に取り付けた皮膚抵抗で計測できるように準備。被験者には通常の写真と、ショッキングな写真を混ぜ、ランダムにスクリーンに表示させるよ うにした。驚いたことに、ショッキングな写真を見せ、驚く数秒前に、人々は電気抵抗の変化による反応を見せた。


故カール・せーガンが著書の中で真面目に調べてみるだけの価値があると思う超能力を3つ上げていた。

(1) 頭の中で考えることで、コンピューターの乱数発生機構に影響を与えられる。
(2) 感覚を遮断した状況では特に、自分に向けられた思考やイメージを受け取ることができる。
(3) 幼児が前世のことを話し出すことがあり、生まれ変わりとしか考えられないほど詳しい記述が得られることがある。

この(1)については、プ リンストン変則工学研究所 (PEAR)が詳しいが、念力により平均1万ビットにつき数回1が多くなったり少なくなったりすることがわかったそう だ。
普通の人の超能力なんて、あったとしてもこの程度(誤差の範囲内)。



微小な粒子だけでなく、理論的には(確率的にはほぼ0ではあるものの)巨視的物体の波動関数は宇宙の果てまで広がっている。宇宙が波動関数を伴った粒子と考えれ ば、すべての波動関数は干渉しあう。思考はエネルギーの一種であり、テレパシーは量子力学で説明できるかもしれない。