会社を辞めて、自営業を始めた当初は自宅を仕事場にしていました。翻訳者ですので、机とパソコン、インターネット回線があれば世界中どこでも仕事はできます。
ずーっと家に閉じこもり、煮詰まってしまい、まだワーケーションという言葉が流行る前から
時々ウィークリーマンションを借りて(まだAirBNBは存在していなかった)ワーケーションみたいなことをしていましたので、その実態と利点・欠点を書いておきます。
1回目:2010年
場所:フィリピンの英語学校(スービック)
値段:13万円/月(英語の授業、ホテルシングルルーム、1日3食食事付き)+航空券10万円
期間:3か月
以前からフィリピン英語留学はしていましたが、このときは本を書こうと思い滞在。
英語を勉強しながら、ホテルに滞在し、3食も学校が用意してくれるので執筆に集中できました。
英語学校に滞在する利点は、3食食事付きなのと、学習用に椅子と机がきちんと用意されていますので、パソコン作業にも向いているということです。
成果:『ヴォイニッチ手稿 第三次研究グループ(1991-2001年)』という本を完成させた。
場所:フィリピンの英語学校(クラーク)
値段:20万円/月(英語の授業、ホテルシングルルーム、1日3食食事付き)+航空券10万円
期間:1か月
日本の冬が寒すぎて避寒という意味と、たまには英語も磨かないと鈍るので再度フィリピンの英語学校で仕事。
不利な点:日本は物価が20年上がっていませんが、諸外国では毎年物価が上昇し、英語学校に1ヶ月滞在するのに20万円となってしまいました。
また、この頃は本格的に翻訳のお仕事をしていたので、仕事が忙しくなるとせっかくお金を払っているのに授業に出られず、また仕事を間に合わすためにせっかく外国に滞在しているのに土日も部屋にこもって仕事していたので、一体俺は何をやっているのだろう?と思い、フィリピンの英語学校滞在でのワーケーションは減っていきました。
部屋にはWifiがありましたが、インターネット回線が遅くて休み時間はみんなが使うので遅くなる。その他回線が不安定で、数日間使えないときは、ファイルが納品できず、近くのインターネットカフェで仕事していました。
3回目:2014年9月
場所:宮崎県青島のマンスリーマンション
値段:1泊2930円×25泊(ワンルーム賃貸料)+航空券
期間:1か月
お仕事に疲れ、海のそばで仕事したいなといろいろ検索していたら、一泊3000円で泊まれるウィークリーマンションがあったので、ここで仕事していました。
(当時、その他のウィークリーマンションは大体10万~15万円はしていました)
ウィークリーマンションは最低限の家具しかなく、椅子と小さな机を借りてきたのですが、狭くて作業し辛いこと。
また、ど田舎なので街に一軒しかないスーパーまで毎日歩いて片道25分、往復50分。自転車もないし。
なんにもない田舎で、交通手段もなく、毎日朝海辺を散歩しては早く帰りてーなって思って過ごしてました。
インターネットは、Wimaxがかろうじて使えたと思います。
反省点:作業机がないと無理。利便性が高い場所じゃないと時間が無駄。
4回目:2015年1月
場所:フィリピンの英語学校(セブ島)
値段:13万円/月(ホテルシングルルーム、1日3食食事付き)+航空券10万円
期間:1か月
冬の寒さが絶えられず、またもやフィリピン英語学校に滞在して仕事。
前回の英語学校では授業料を払ったのに出席できなかったことも多かったので、今度は初めから交渉して1日1コマ分しか授業受けないから安くしてくれと交渉し、13万円にしてもらいました。
でもね、暑さが楽しいのは最初だけで、どーせ部屋に閉じこもって仕事してるだけだしね。飯はまずいし、ゴキブリやノミやダニがいるベッドに早く帰りたいとずっと思ってました。
とりあえず、これが最後のフィリピン滞在での仕事でした。
インターネットは学校のを使っていました。プリペイドsim契約したけど、おそすぎて全く使えませんでした。
5回目:2015年8月
場所:草津温泉の湯治宿
値段:5.8万円/月(ビジネスホテルシングルルーム)+電車賃
期間:1か月→3週間
この年は最高気温が35℃以上が続く夏で、絶えられなくなって、草津温泉みたいな高原なら涼しいと思い避暑。
問題は草津でも昼間は30℃超えるのに、部屋にはクーラーなし。また写真のようなテーブルと座椅子(持ち込み)で仕事してたら腰が痛くなるわ、備品の電熱器と鍋だけで作る食事なんて限られているので、毎日スーパーの弁当+茹でたそば。やることは温泉入るだけで、1ヶ月の滞在費用払ったのに、1週間早めて3週間で東京に帰ってきてしまいました。
インターネットは、Wimaxがかろうじて使えたと思います。
6回目:2018年2月
場所:沖縄のエアビーリスティング
値段:一泊6000円位+航空券5万円
期間:2週間
冬は暖かいところに逃げようと、初めての沖縄。
この頃、エアビーが日本上陸して知名度が高まっていたころでしょうか。これまでワーケーションの短期滞在はウィークリーマンションしかなかったのですが、エアビーという選択肢が増えたことは歓迎です。
7回目:2018年7月
場所:熱海のリゾートマンション(エアビーリスティング)
値段:一泊6500円位
期間:10日間
前回エアビーの利便性に感動し、再度エアビーを利用。この頃はまだ民泊の法律ができておらず、使っていないリゾートマンションを勝手に民泊利用している人がいました。
この家を借りたのですが、住人用の共同温泉入っていたら、あんた誰?とか絡まれ、めちゃくちゃ歓迎されませんでした。
ずっと住んでる住人からすれば、リゾートマンション民泊利用されちゃ嫌だろうな。当然、そのあと民泊は免許性になり、リゾートマンションも規約で民泊貸出禁止になりましたので、もうこのような体験できません。
それでも、又貸しもできないリゾートマンションに管理費ずっと払い続けるの嫌だから、格安で売り出しても買い手いないんですよね。
場所自体は、山の上にあって、バスで毎日買い出し大変でした。
8回目:2019年2月
場所:別府のエアビーリスティング
値段:一泊8250円+航空券4万円
期間:2週間
温泉地でゆっくりと滞在しようと、この物件を借りました。椅子に背もたれがなく、壁を背もたれにして仕事してた気がします。
別府は観光地と、住宅地が一体型なので、駅チカに借りるとスーパー行くのも便利でした。
10回目:2020年2月
場所:台湾
値段:一泊8000円のエアビー邸宅→一泊1.2万円のホテル+航空券6万円
期間:2週間
寒いと具合悪くなるので、この時期に温かい場所で仕事する習慣になっていました。
初めはエアビーで台湾の豪邸を予約して行ったのですが、着いてみたらボロアパート。始めてのトラブルで、エアビー運営に連絡しても返事ないし、とりあえずすぐにその部屋を出て、ホテル滞在に変更。
ホテルを探すときも、とにかく仕事できる机が必要だったので、慌ててbooking.comで写真見ながら探して大変でした。
エアビーとはその翌日に連絡が着いて、全額返却ということで解決も、不信感が残り、その後海外ではあまりエアビーを使わないようになった。
台湾は安全だし、近いし、楽しいけど、どうも食事が合わなくて、毎日近くのパン屋さんでサンドイッチ買って食べてました。
11回目:2020年7月
場所:川奈のエアビーリスティング
値段:一泊7000円
期間:1週間
伊東に泊まろうと思ったけど、安い物件がなかったので、川奈という駅から歩いて15分の物件。海が見えるということだけど、海まで歩いて30分はかかる。
結局エアビーで貸す家は不便だから、そのままだと借り手がいない不便な物件ということを理解しないとだめですね。あと、写真ほどきれいでないことも多い。
特にここは下水の匂いが臭かった。
場所:別府のエアビーリスティング
値段:一泊4200円+航空券4万円
期間:2週間
新型コロナウィルスの流行で海外は行けず、また外国人旅行客が来ないため、エアビーの単価が下がっていた(通常は8000円の部屋がほぼ半額に下がっていた)のもあり、再度別府に滞在してお仕事。
こういう大きなダイニングテーブルで仕事して、寝室は別にあると、集中して仕事できます。
建物は古いけど、リフォームしたてで快適な家でした。
13回目:2024年2月
場所:別府のエアビーリスティング
値段:一泊3500円+航空券3万円
期間:10日間
家族が増えて、子育てで奥さんを置いて、久しぶりに1人だけのワーケーション。ものすごい円安なので、海外という選択肢はなしで、今回で3回目の別府滞在。
一泊3500円だから文句は言わないんだけど、この小さい机と、変な椅子だけは本当に仕事し辛い。
別府のいいところは、温泉街が田舎ではなく、普通に街中にあるので、スーパーも、100均も、ドンキも、飲食店も、温泉もそこら中に複数あること。
駅から近いとか、大きなスーパーが近くにないと、買い物や食事が大変です。
昔と違い、最近はインターネット回線の心配はほとんどなくなった。
家族がついてくるなら、独立した仕事部屋がないと集中できず、そういう広い物件は高い。
かと言って、熱海に安いリゾートマンション買ったとしても、管理費、修繕費、固定資産税で年間50-100万払うならば、まだエアビーでいろいろ借りたほうがましかな。